
伊藤有希
インテリアコーディネートの勉強方法とは 観察学習のやり方
更新日:2019年9月6日
こんにちは!
伊藤有希です。
昨今、インターネットによって、様々なコーディネーター様やブロガー様の事例写真を拝見する機会が増えました。
ブログ、ピンタレストなど参考にしたり、お客様とイメージ共有に活用させていただいたり、とっても便利になりましたね。
【観察学習…事例研究を定期的に行う理由】
インテリアコーディネーターをしていても、いろいろな情報に触れることができるので、学びの一環として事例写真を観察、研究させていただくことがあります。
こうやって、写真を公開されているということで私たちは学びのきっかけや、事例に触れることができます。
仲間内で、その写真を題材にコーディネートについて論じることもあります。
そのように活用することもあるので、写真を拝見できることは感謝しかありません。

※ほかのコーディネーター様の写真などを利用しているため、ぼかし加工をしています。
上記のイメージ写真については、コーディネート事例写真を使って、そのコーディネートにおいての特徴をアウトプットし、それについて自分なりの言葉でまとめてゆくといいうことをしています。
勉強会では、こういった自主学習的な内容をすべて公開して共有させていただいてます。
インテリアコーディネーターは、住宅全体のコーディネートをすることが多いのですが、あえて【テーブルコーディネート】から分析をするととても参考になります。
最初は、写真1枚をもとに分析を行うことで、写真に写る限られた範囲から深く情報を得ることの練習になります。
ちなみに以下から写真を参考にすることが多いです。
▶ハウスメーカーやマンションディベロッパーのイメージ写真
▶テーブルコーディネート
▶メーカーのカタログ等に掲載の写真
▶ブログやピンタレストからコーディネート事例
▶雑誌や書籍の本
▶歴史的建築物
それぞれから受け取れる情報はひとつひとつ違いがあります。
なぜなら、それぞれの写真が撮影された状況、届けたいターゲット層、よりよく見せたい商品…。
客層や目的が異なる写真です。
そういった撮影された状況の違い、目的によっての撮影によって違うと考えています。
上記よりいくつか、参考にする写真について語ってみたいと思います。
▶ハウスメーカーやマンションディベロッパーのイメージ写真から学ぶ

※他社様の写真のためボカシをかけています。
直接的にインテリアコーディネートとして参考になるのは、ハウスメーカー様やディベロッパーが広告で公開している写真です。
これらは、実際にインテリアコーディネーターが入って内装を手掛けていることが多く、全国規模の会社などではコンペでコーディネーターを選んだり、実績のあるコーディネーターなどに依頼しているため上質なものである確率は高いものとなります。
さらに購買層を想定して、30代の子育て世代なら明るくカジュアルに。
40~50代のミドル世代ならシックでラグジュアリーに…、など世代によって内装イメージも変わります。
販売価格や立地が地域の相場と比べてどうか、などによっても狙っているであろうターゲット層を想定することができます。
▶テーブルコーディネートから学ぶ

テーブルコーディネートは、テーブルの上という限られたスペースの中で、
・テーブルクロス、ランチョンマット、テーブルランナー、などの敷物…。
・ベースのプレート、お皿、グラス、カトラリー、カップ…など食器類…。
・ワインボトル、ナプキンリング、グリーン、花・・・などの小物…。
などを効果的につかい、色やバランスよく配置させることで美しいコーディネートを行っています。
・有彩色カラーは3色程度に抑える。(グリーンは除く)
・高さを出すアイテムを取り入れる
・グリーンを活用する
などのバランスのとり方をざっくりと頭にいれつつ、ベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーのバランスも7:2.5:0.5くらいのバランス・・・などの色彩テクニックも、テーブルの上だけなら把握しやすく、その感覚がつかみやすいです。
インテリアコーディネーターといっても必ずしも、テーブルコーディネートのスキルを持たなければならないことはありませんが、あると非常に便利なスキルです。
テーブル上の限られた範囲に、どれだけたくさんの要素があり、ひとつのコーディネートを組み立てているか考察すると、色彩や素材に関して理解を深めるきっかけになるので、有意義な学びになると思います。
なので、私は自分で事例研究をする写真を選ぶ際、5枚に1枚、もしくはそれ以上はテーブルコーディネートの写真を取り入れています。
▶メーカーのカタログ等に掲載の写真から学ぶ

※リクシル ラシッサ Palletカタログより
様々なインテリアメーカーが、商品をより魅力的に見せるためにパースや写真を作成してカタログやホームページにイメージ写真として掲載しています。
上記のピンク色がベースのリクシル様の写真は、ドア「ラシッサ Pallet」のペイントされたピンクのカラーの商品を見せるためのものです。
この写真の主役は、このドアであり、それに合わせて周囲の壁紙の色やディスプレイが設定されています。
カーテンや壁紙ではサンゲツ様やリリカラ様…。床材では大建様、永大産業様…。
ほかにもたくさんのメーカー様が、自社の商品を魅力的に紹介するために写真を掲載されてます。
メーカー様の写真も、とても勉強になります。
このカーテンどんな床材だったら合わせやすいのだろう、
この壁紙はどんな雰囲気の部屋に合わせるために作られたのだろう…と、
その商品の持つイメージや、雰囲気、テイスト、を観察することで、より商品知識を深めることができます。
さらに、自身がコーディネートを行いその事例写真を撮影したいとき、何をフォーカスして撮りたいか、そのためにどう映せばそれを主役にできる写真が撮れるのか、など写真構成なども見てゆくと参考にすべきことが多く、学ぶポイントもたくさんあります。
今回は、すこし勉強について考察してみました。
もちろんほかにも、上に書いたような様々な写真を参考にして勉強しています。
インテリアは人々の生活様式や価値観に影響を受け、トレンドも移り変わるものです。
少なからず、ブームもあります。
そんなインテリアの情報があふれる現代で提案をするにあたって、私はお客様としっかり対話しその方の10年後、20年後を見据えた提案ができるようになりたいと考えています。
沢山の事例を見て学んで研究することで、時代の中で変わっているものや変わらないものを見つけることができます。
そんな経験を通じて、人々の生活のトレンド、傾向、ライフスタイルの変化を間接的に観察できるのです。
このようにして、自分の視点を広げて、お客様の要望に合致したうえで将来的にも楽しく豊かに暮らせる住まいの提案ができるように、学びを深めていきたいと思っています。
伊藤