
伊藤有希
床材ってなにか違いがあるの?部屋の美しさを決めるポイントとは
こんにちは!
「おしゃれは足元から!」と、いいますね。
あながち家の美しさにおけるフローリングの大切さは無視できないのです。
部屋に入って埃やゴミの落ちていない美しい床が広がっている部屋。
実は床は無意識に目が行き、そこが美しいと部屋が綺麗な印象を持たれるのです。

さらに「垢ぬけてておしゃれな部屋!」と思われる部屋にするためには、フローリングの色や種類にこだわって選びたいものです。
適度に艶があって…、インテリアにもピッタリの床…。
ただ、どんな床が自分にピッタリなのか…なかなか難しいですよね。
今回は床についてまとめてみようと思います。
新築やリフォームをお考えの方は参考にして見て下さいね!
・様々なフローリングやドアのデザイン
・突板とは
・無垢材とは
・ヒキ木とは
・デザイン豊富なシート系フローリング
・樹種・色の選び方
・大事な足元の美しさ
様々なフローリングやドアのデザイン

「毎日暮らす部屋の床はどんな柄ですか?」
と聞かれてピンとくる人は少ないと思います。
「柄?木目の柄だけど…」
そう、木目。
フローリングと言えば、木の板を並べて貼る床材です。
ただ、そのフローリング…。
木目と言えども、様々な色やデザインがあるのです。
「木目のデザイン?」
木目には、その木の年輪や繊維が筋のように表面に現れます。
細かかったり、幅が広かったり、濃かったり、薄かったり。
その木目の出方が、フローリングのデザインなのです。
近年、様々なメーカーがフローリングを販売しています。
ハウスメーカーや建築会社によっておすすめされるフローリングは様々です。
「おすすめはこちらです。こちらのサンプルからお選びいただけます」
ベースの標準プランだけ見るとなかなか選択肢が多いように見えないことも多いもの。
じつはフローリングと言っても、いろいろな種類があるのです。
価格の変動が発生するかもしれませんが、希望を伝えればハウスメーカーさんや建設会社さんはお客様のご要望に耳を傾けてくれる会社さんが多いです。
突板のフローリングとは

本物の木材の模様を残しつつ、合板(いろいろな木材を重ね合わせた板)で作られたフローリングです。
フローリングのカタログを見て表面の仕上げに「突板」というキーワードがあったら、そのフローリングの木の模様は本物の木が使われているということです。
【突板のメリット】
・合板なので伸縮膨張が少ない
・木目が美しい
・手頃な価格のものがある
・高価で希少な樹種のものもある
・限られた木材資源を有効活用できる
【突板のデメリット】
・高価な樹種は突板といえども高い
・凹み傷などにより下地が見えることがある
・敷いたときの厚み感はあまりない
・木の風合いは無垢材や挽木に比べると劣る
本物の木、といってもうすくうすく0.2ミリにスライスしたものが合板に接着されているので、強い衝撃で傷が入ってしまうと下の板材が見えてしまうことがあります。
しかし、手ごろな価格で量産可能なうえ、自然な木目で部屋全体を均一に仕上げることができるのでとても使いやすい商品が多くあります。
光沢や手触りは、塗装やコーティングなど仕上げ材によるものが大きく、突板自体は薄く傷に弱いため必ず塗装などの仕上げ加工がされています。
艶感のあるものから、マットなものまで仕上げにより様々です。
無垢材のフローリングとは

無垢材とは合板などを接着せず、木材を熱さ12㎜や15㎜に切り出してフローリングとしている木材です。
塗装されていたり、されていなかったりします。
【無垢材のメリット】
・身体に優しい
・サラリとして足に心地よい、
・保温効果
無塗装の無垢材は、生の木材の肌さわりをそのまま感じることができるので非常に気持ちよく、板に接着剤などが使われていないので「身体にも優しい」と言われています。
木材は繊維の隙間に空気層があり、それによって「やさしい木のぬくもり」が感じられます。
吸保湿の効果もあり、木材が呼吸をするように部屋の湿度を調節してくれるので、そういった意味でも天然素材は魅力的で人気が高い素材なのです。
【無垢材の不便な点】
・価格が高い
・膨張、収縮がある
・傷つきやすい
・経年変化
無垢材は長い木材からフローリングすべてを切り出すので、とても贅沢な床材になります。
高価なものが多いです。
玄関と廊下、LDKだけ無垢にしたい…などというご相談も多く伺います。
吸保湿効果にすぐれた無垢材フローリングですが、それにより乾燥している時期は少し隙間ができます。
というのも、膨張したときに余裕がないと木が押され合って、歪んだり割れる恐れがあるからです。
施工の方法やかかる時間などが変わるので施工の日程や費用に若干影響することもあります。
また、素材感を感じさせたいものが多いので塗装があまりないものや、塗膜がない木に染み込ませるような塗装のものも多いため、木の質感がそのまま残ります。
◆傷に弱い
柔らかい樹種によっては簡単に凹み傷などがついてしまいます。
傷の具合によっては、すこし水分を含ませた布で拭き温めるなどして木の繊維が膨張して元のカタチに戻る効果を狙って修復させることもできますが、なかなか難しい補修の方法です。
長く使っているとやはり傷は増えるでしょう。
しかし、傷はついても表面がえぐれて下の合板が見えるなどといったことはありません。
使っていくうちに自然な傷や凹みが増えていくといった印象です。
◆塗装と経年変化
塗装にもいくつか種類があります。
無塗装や、オイル塗装など塗膜が無いタイプだと素足で毎日歩けば、皮脂などの油分が少しづつ木に染みこみ経年変化をしてゆきます。
もちろんそれが無垢材の魅力の一つでもあります。
ただ、全体がアメ色に変化するようなイメージで語られることも多いのですが、やはりよく人が通る場所が集中してちょっと黒ずんだりしてくるので、そういった一面も理解されたうえでおすすめしたいフローリングです。

無垢材は天然木であるがゆえ、高価で不便な点も多いフローリングです。
しかし、それを差し引いても心地よく、ぬくもりを感じる床であります。
接着剤など化学物質の少なさは過敏な方にはとてもうれしい利点です。シミも傷も家や家族の歴史だと思えば愛すべき経年変化です。
挽木とは

突板と無垢材のフローリングを紹介しましたが、個人的に両者のいいとこどりをしているのが挽木フローリングだと感じています。
挽木とは、厚さ2ミリほどの木板です。
10㎜ほどの合板にこの挽木を重ね、本物の木が表面に感じられるように作られたのが挽木のフローリングです。
表面に2㎜の厚みがあれば、木のぬくもりも感じられますし、多少傷ついても合板まで傷が届き下地が見える可能性は少ないでしょう。
合板があるということは木の膨張・収縮は少ないということです。

膨張率を無垢材ほど考えなくてもよいので現場での施工性も一般のフローリングと変わりませんし、そのうえで無垢材の良さであるぬくもりや肌触りを持っています。
木そのものが厚めに切り出されているので、樹種の木目模様の美しさが自然に感じられます。
触れたときに無垢材と似た優しいぬくもりがあります。
これは、突板やシート系フローリングよりも高価です。
樹種によっては無垢材より高価なものもあります。自然で高級感のある仕上がりになるのでおすすめです。
デザイン豊富なシート系フローリング
木目模様に本物の木を使っていないフローリングも最近増えています。

「えっ!!フローリングって本物の木じゃないの!?」
と驚く方も多いかと思います。
実は、最近多いのがプリント系フローリング。
フローリングの模様をよーく見てみると…。
小さなドットが見えるものがあります。

これは、ビニールや樹脂のシート、紙シートなどに木目が印刷されてフローリングの表面の模様に使われているものです。
マンションや、建売住宅、賃貸住宅などでよく見かける材質のひとつです。
安価でデザインが豊富、流行に合わせたカラーのラインナップもありますね。
グレイッシュなウォールナット柄、など、実際には高価で難しい柄も再現でき、とても美しいものも多いです。
豊富な柄や色によりデザインの幅が広がり、モダンでスタイリッシュな空間など、おしゃれで特徴的な床色の空間はプリント系のフローリングが多いのです。
柄が均一なので、部屋全体がすっきりと見える印象ですね。

さらに印刷とともに木目の凹凸まで再現しているものもありますし、コーティングなど仕上げ技術も上がり、機能性を持たせたフローリングもあります。
色・樹種の選び方
さて、ここまで様々なフローリングの種類を紹介してみました。
インテリアを決めるのに、質感というのは非常に大切な要素です。
都会的でモダンなインテリアに無塗装の無垢材を合わせるのは難しいですよね。
塗装やコーティングの光沢の具合も、空間のデザインに関わってくるので気にしたいポイントです。
優しく、自然に。ぬくもりあるナチュラルテイスト

自然な塗装の無垢材がぴったりです。
板の色は明るめを選ぶとよいでしょう。
突板やプリント系でもナチュラルテイストなら、あまり艶が出ないマットな光沢のコーティングがされている床材は自然になじみやすく、柔らかい空間を演出します。
スタイリッシュに大人っぽく。都会的でクールなテイスト

モノトーンカラーでメリハリをつけて仕上げてもいいですが、近年はグレー系でまとめることも増えています。
ここ数年家具もグレー系の塗装で仕上げたものも増えました。
突板や無垢材より、シート系のフローリングのほうが色柄が豊富で微妙なニュアンスのカラーを選びやすい印象です。
また木のフローリングではなく、大理石調のタイルを床に使用することで大人の空間としても美しく仕上がります。
どっしり高級感があり、クラシカルな上質空間

しっとりした艶のある木目の美しいフローリング、重厚な家具、織物のカーテン…。
高級感のあるクラシカルな空間には、塗装された無垢材や挽木などでフローリングの厚みが感じられるものが良いでしょう。
さらに、より色が濃く、深く、艶が出るような塗装やコーティングがされていると高級感が感じられます。
同じように、重厚で艶があり、装飾が豊かな家具やカーテンを合わせることで老舗のホテルのような深みのある空間を作り出します。
大事な足元の美しさ

部屋に入って「心地いいな」と感じる部屋はどんな部屋でしょか。
綺麗に片付いた部屋?
壁紙が綺麗な部屋?
インテリアがおしゃれな部屋?
もちろん心地よさは人それぞれですが、すっきりとしていて美しい壁紙が映え、おしゃれなインテリアが整然と配置されている部屋は心地よく安心感があるかと思います。
部屋が美しく見えるためには、床が広い面積見えていることが必要な条件になります。
部屋に入り、広々とした床が広がって、そのうえで壁やインテリアがより魅力的に活きてくるのです。
どんなに気に入ったインテリアを揃えても、床の色や材質が合っていなかったり、ボロボロだとずっと違和感を抱えながら生活をすることになるのです。
私は賃貸マンションに住んでいた時、致し方なく和室にベニヤ板を敷いてデスクをおいていたことがありました。
あまり、居心地がいいとは言えないオフィスでしたね…。
最後に
私は、これから、実現したいライフスタイルやインテリアのスタイルがあるのなら、本当に気に入った床の家に住んでいただきたいなと思います。
日々の掃除や、家具の手入れなどが楽しくなるような家であってほしい、と思ってインテリアのご提案をしています。
住まいを整えることを通じて自分自身や家族を大切にしているということだと思って、そこに住まわれる方がその人生も豊なものになってほしいと思って、お打ち合わせをさせていただいています。
#フローリング #床 #新築 #リフォーム #インテリア #フローリングの選び方 #フローリングの特徴 #突板 #挽木 #無垢材